「目が急に見えなくなったように感じる」「昨日よりも目が見えにくくなったかもしれない」などと感じていませんか。生活に支障が生じるため、お困りの方が多いでしょう。目が見えなくなったときは、さまざまな原因が考えられます。中にはすぐに対処するほうが良いものもあるため注意が必要です。回復するだろうなどと考えて、放置しないことをおすすめします。
この記事では、目が見えないときに現れやすい症状と考えられる原因を解説しています。さらに、原因別の対処法や治療法も紹介しています。以下の情報を参考にすれば、現在の状態について理解を深められるとともに次にとるべき行動がわかるはずです。目に異常を感じている方は確認しておきましょう。
目が見えなくなる際の症状
目が見えなくなる症状として、次のものがあげられます。
急に見にくくなった、見えなくなった
さっきまで普通に見えていたのに、急に見えにくくなることや全く見えなくなることがあります。例えば、
視力低下、
かすみ眼などと激しい眼痛、頭痛、嘔吐などが現れることもあります。原因はさまざまですが、いずれにせよ眼科をできるだけ早く受診するほうがよいでしょう。
視野の一部が欠けて見える、視野が狭くなる
視野の右側が欠ける、視野の下側が欠ける、視野の中央が見えないなどの症状が現れることもあります。すぐに気づきそうに思いますが、片側の眼だけに生じるとしばらく気づかないケースが少なくありません。反対の眼が欠損や狭窄を補うからです。片方の眼を閉じてみると、異常に気付きやすくなります。
ものが重なって見える
ものが重なって見える状態(複視)は以下の2つに大別されます。
【複視の種類】
- 片眼で見ると重なって見える
- 両眼で見ると重なって見える
症状により考えられる原因は異なります。
原因と疑われる病気
以上の症状が現れている場合は、次の原因や病気などが考えられます。
急に見にくくなった、見えなくなった原因
急性緑内障発作を起こすと、ものが急に見えにくくなります。特徴は、
視力低下、目のかすみに頭痛や吐き気などを伴うことです。症状から推測しやすい病気といえるかもしれません。
眼底出血によっても、ものが急に見えにくくなることがあります。具体的には、黄斑と呼ばれる部位で出血が起こると症状が現れやすくなります。眼底出血の主な原因は、糖尿病や高血圧です。全身の病気も、見えにくさに影響を与えるため注意が必要です。
視野の一部が欠けて見える、視野が狭くなる原因
視野の一部が欠ける、あるいは視野が狭くなる場合も、緑内障が疑われます。緑内障は、眼圧で視神経がダメージを受けて、視野が狭く、視野が欠ける病気です(眼圧が正常でも起こりえます)。放っておくと、失明につながる恐れがあります。通常はゆっくり進行しますが、眼圧が急速に上昇すると視野の狭窄なども急速に進みます。失った視野は治療を受けても回復しないため、これらの症状が現れた場合は早期の受診が勧められます。
視野の欠損は、網膜剥離でも起こります。
網膜剥離は、カメラのフィルムのような役割を果たす網膜が剥がれる病気です。黄斑部が剥がれると急激な視力の低下を起こします。網膜剥離も進行すると失明につながります。
ものが重なって見える原因
片眼で見ると重なって見える場合は、
白内障のほか
角膜混濁などが考えられます。白内障は水晶体が濁り見えにくくなる病気、角膜混濁は炎症や外傷などで角膜に濁りが生じた状態です。
両眼で見ると重なって見える場合は、眼球を動かす筋肉の問題が考えられます。具体的には、
外眼筋麻痺が疑われるでしょう。外眼筋麻痺は、糖尿病や高血圧などのほか脳梗塞や脳出血などで引き起こされます。
対処法・治療法
ここからは、目が見えなくなったときにできる対処法と治療法を紹介します。
急性緑内障発作の場合
急性緑内障発作は、主に眼圧を下げる治療を行います。具体的には、一時的に眼圧を下げる点滴や房水のう回路を作る周辺虹彩切開術などを行います。角膜が透明の場合は、レーザーで虹彩を切開するケースもあります。ただし、急性緑内障発作では眼圧の上昇で角膜が混濁するため、適応できないケースが少なくありません。
網膜剥離の場合
網膜剥離は、網膜をもとに位置に戻して固定する手術が必要です。具体的には、硝子体を吸引・除去する硝子体手術などを行います。
網膜剥離を起こす前の網膜裂孔であれば、レーザーで凝固することにより進行を予防できる可能性があります。網膜裂孔では、視界に虫が飛んでいるように見える飛蚊症などの症状を生じることがあります。このような症状が現れた場合は、早めに病院を受診するほうがよいでしょう(飛蚊症は加齢の影響などでも現れます)。
角膜混濁の場合
角膜混濁は、混濁した箇所にレーザーを照射する治療などが行われています。角膜を削ることで混濁の一部を除去できるため、視力の改善を期待できます。レーザー照射後は、数日間、角膜を保護するソフトコンタクトレンズを装着します。
他の病気が原因の場合
糖尿病や高血圧など、他の病気が原因で目が見えなくなる症状が現れることもあります。これらの場合は、現れた症状に対処するとともに、原因となっている病気の治療も必要です。具体的な検査や治療の流れはケースで異なります。持病がある方は、医師の指示に従い薬を服用したうえで、眼科を受診するようにしましょう。
その他の原因・対処法
こちらの記事では目が見えなくなる原因と治療法について紹介しました。
上記で紹介した以外の目が見えなくなる原因についても触れている記事もございますので、こちらもあわせてご覧ください。
急に目が見えなくなる原因・症状と治療方法
目が見えないときは眼科で相談
目が見えない症状と目が見えないときに考えられる原因・対処法を解説しました。この記事で紹介した以外にも、さまざまな原因が考えられます。原因により対処法は異なるため、まずは目が見えにくくなった
原因を把握することが重要です。お困りの方は、早めに眼科で相談してみてはいかがでしょうか。
足立区にある 北あやせよつば眼科では、患者様一人ひとりに寄り添った治療を実施しています。ぜひ目の痛みについてご相談ください。