目は人間の五感のひとつであり、非常に繊細な器官です。感染症や花粉症などの身近な症状から、視野や色の認識に関するトラブル、自己免疫疾患や脳神経疾患まで、一人ひとり悩みや症状の程度が異なります。
最近、目の奥にピリピリ・ズキズキとした痛みを感じることはありませんか?目の痛みはそのままにせず、早い段階で予防や対処ができるように、専門医による検査と治療が重要です。
ここでは、目の奥に痛みを感じたときの症状について詳しく紹介し、原因と疑われる病気をピックアップしながら、目の奥に痛みを引き起こす可能性のある病気について、治療方法や対処法を取り上げます。
これから眼科を受診しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目の奥が痛い際の症状
目の奥に痛みを感じたときは、どのような症状が考えられるのでしょうか。詳しくみていきましょう。
目の充血
目の奥の痛みと同じタイミングで、白目部分が赤く充血することがあります。
疲れ目の代表的な症状ですが、目に異常がないかを確認する必要があります。
目が眩しい
いつもよりも光や照明のもとで目が眩しく感じられる症状です。目のショボショボ感も同時に現れることがあります。
ショボショボする
目がなんとなくショボショボする、潤っていない感じがする症状です。
目を潤す成分が不足している可能性があり、目を頻繁にこする・まばたきの回数が増えた・目薬を何度もさすなどの行動が現れやすいため、普段よりも目の状態を意識してみてください。
色覚異常
色覚異常とは、色の見え方が通常とは異なって見える症状です。色覚を司る部分に何らかの影響が出ていると考えられます。
吐き気がする
急に吐き気を催し、目の奥に痛みを感じるケースです。何らかの病気が進行している可能性を考え、早めに専門医に相談しましょう。
頭痛
目の奥から頭にかけて、ズキンズキンという痛みをきたす症状です。さまざまな原因が考えられますが、すでに症状が現れた状態のため、早めに検査・治療を行いましょう。
原因と疑われる病気
目の奥に痛みを感じたときは、目とその周辺器官に何らかのトラブルが起きていると考えられます。ここからは、原因と疑われる病気を解説します。
眼精疲労
眼精疲労は疲れ目とも呼ばれ、目を使いすぎる・目の休息が不足しているときに現れやすい病気です。目の重たさやかすみ目を併発することが多く、ズーンとした痛みを感じたら、しっかりと目を休ませてあげましょう。
眼精疲労は、目の奥に存在する外眼筋と呼ばれる筋肉が痛みを訴えている状態です。外眼筋は目を動かしている6本の筋肉で、目の使いすぎで筋肉を酷使すると、筋が固くなり痛みや圧力を感じやすくなります。
眼精疲労の原因は、老眼(老視)やドライアイなど身近なものから、白内障・緑内障などの病気まで幅広いため、「疲れているだけだろう」と放置せず、早めに医療機関を受診しましょう。
眼精疲労について詳しくはこちら。
偏頭痛(片頭痛)
突発的に頭痛を繰り返す病気で、多くは頭やこめかみなど目よりも上の範囲に現れますが、目の奥に痛みを感じる方も少なくありません。
偏頭痛は大人に多く、男性よりも女性の割合が多くみられます(※)。発作的に頭痛が起き、ズキズキとする拍動性の痛みが特徴で、目の奥にも痛みが及ぶことがあります。
※参考元:厚生労働省 : 2019年国民生活基礎調査の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/04.pdf
視神経炎
視神経炎は、視神経が炎症を起こしてしまう病気です。片目または両目に、比較的急激に進行する視力低下の症状とともに、目の奥に痛みや頭痛をともないます。
緑内障発作
緑内障発作は、眼圧の上昇にともなって視神経が障害され、視野に欠損を生じる病気です。進行すると失明に至るため、少しでもおかしいと感じたらすぐに専門医を受診しましょう。
脳血管障害
脳血管障害は、脳梗塞やくも膜下出血などさまざまな症状がみられます。脳の血管がつまりを起こすことで発症するため、早期発見・早期治療が大切です。
対処法・治療法
目の奥の痛みは、休息によって回復する眼精疲労から緑内障発作などの重大な疾患までさまざまです。ここからは、目の奥の痛みをともなう病気への対処法・治療法をみていきましょう。
休息をとる
眼精疲労(疲れ目)や偏頭痛による痛みは、目を酷使しすぎないこと、体と目を休めることが大切です。
目を開けているだけでも痛む場合があるため、目を閉じて休息をとる習慣をつけ、場合によってはまとまった時間を睡眠に充てるなどの休息を心掛けましょう。
内服薬
偏頭痛には鎮痛剤や制吐薬、視神経炎は副腎皮質ステロイド薬など、症状にあわせて内服薬が処方されます。
点眼薬
眼精疲労の方は、目の表面が乾いている場合は目を潤す成分を含んだ点眼薬を、緑内障の方には、眼圧を低下させる専用の点眼薬が処方されます。
レーザー治療
緑内障は、目の奥が痛む緑内障発作や、発作を起こす可能性が高いケースについて虹彩の一部にレーザー治療を施します。短時間で終了し、日常生活も通常どおりに送ることが可能です。
手術
緑内障の急性期症状について、レーザー治療で効果が得られない場合には、必要に応じて手術を実施します。
脳血管障害のように、眼科領域外の病気については専門医のもとで手術や治療を実施し、眼科と連携しながら症状の緩和を目指します。
目の表面が痛い場合
この記事では目の奥に痛みを感じる場合の原因や治療法について紹介していますが、目の表面が痛いとお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
目の表面が痛い場合の原因や治療法について紹介している記事もございますので、ぜひこちらもご覧ください。
目の表面が痛いと感じる場合の原因・症状と治療方法
目の奥が痛いときは早期検査と早期治療
いかがでしたか?今回は、目の奥が痛む際の症状や病気について紹介しました。
眼精疲労やドライアイ、老視などが原因の場合もあれば、緑内障や慢性的な偏頭痛の可能性もあるため、放置せず早めに専門医を受診しましょう。
北あやせよつば眼科では、目の奥が痛む症状について検査を行っています。お悩みの方はぜひご相談ください。