左右の目で見え方が違う場合の原因・症状と治療方法

目の機能は、正常であれば両目ともに正しく対象物を映し出すことができます。 片方だけがぼやけている・視野がおかしい・ものの見え方に違いがあるような症状が出たときは、
重大な疾患が隠れているおそれもある
ため、早期に専門医での診察が必要になります。

目の左右で対象物の見え方が違っているとき、「左右差があるからだ」と放置せず、できるだけ早期に診察を受けなければなりません。
ここでは、目の左右で見え方が違う場合に考えられる病気や実感しやすい症状について詳しく紹介し、見え方に左右差がある場合の治療方法もチェックしていきます。

目の病気について詳しく知りたい方、これから専門医の受診を考えている方はぜひ参考にしてください。

監修者:玄 真
きたあやせよつば眼科 院長
玄 真

順天堂大学医学部を卒業後、大学病院をはじめとした医療機関で研鑽を積み、眼科専門医を取得し、2015年に『北あやせよつば眼科』を開院しました。
日常的な目の不調から、レーザー白内障手術のような専門性の高い治療まで、幅広い診療を提供しています。0歳の乳児からご高齢の方まで対応し、現在では遠方からも多くの患者様にご来院いただいています。
地域の皆さまが安心して質の高い医療を受けられるよう、一人ひとりの「目のかかりつけ医」として、誠実に診療にあたってまいります。

目次

目の左右で見え方が違う際の症状

目の左右で見え方が違う際の症状について、どのような問題があるのか詳しくみていきましょう。

目の左右で見え方が違う際の症状​

片方のみ視力が弱い

目の片方のみ視力が弱く見えにくい症状には、
片目のみが視力低下を起こしている可能性
のほかに、近視・遠視・乱視が考えられます。 

片目だけが弱視であり、矯正を行わなければならない方もいるため、いずれのケースも専門医による診察を受けて、正しく診断を受けることが大切です。

片方のみゆがむ・ぼやける

片目の視界に
ゆがみ・ぼやけたような部分が発生する症状
です。

片目のみ乱視の場合、ものの見え方にゆがみやぼやけが生じることがあります。

 

神経や筋肉、または脳などの器官が障害を受けた場合も同様のトラブルが現れるため、検査と診察で詳しい症状や原疾患を判断しながら、症状に応じた治療を行わなければなりません。

片方のみ小さく見える

片目のみ、ものが小さく見える症状は「小視症(しょうししょう)」と呼ばれています。

万が一、
片目だけ視野や対象が小さく見えた場合
は、早めに検査・治療を受ける必要があります。

対象物を知覚する際に映像をつくる黄斑部分が何らかの阻害やトラブルを起こしている可能性があるほか、「変視症」と呼ばれる対象物のゆがみを併発するケースも少なくありません。

片方のみ大きく見える

片目のみ、ものが大きく見える現象は「大視症(だいししょう)」と呼び、小視症と同じく黄斑部分の障害が疑われます。
他にも脳など中枢神経系の疾患が隠れているおそれもあるため、精密検査を行うケースもみられます。

原因と疑われる病気

見え方に左右差が出たときは、見え方のおかしい方の目に何らかのトラブルが起きている可能性があります。 

ここからは、ものの見え方の左右差や違いが起きる病気をチェックしていきましょう。

原因と疑われる病気​

加齢黄斑変性

加齢にともない、目の奥にある「黄斑」と呼ばれる部分の下に新しい血管が生じる病気です。

網膜の中心部にある黄斑が、新生血管によって傷んでしまうことで、ものの見え方にゆがみや暗さを感じます。

加齢黄斑変性症について詳しくはこちら。

黄斑上膜

加齢にともなって、黄斑の表面に新しい透明な膜ができる病気です。

膜の生成が進行しなければ見えにくさを感じるだけで推移しますが、シワが寄ったり膜が分厚くなったりすると、視力が低下していきます。

糖尿病黄斑浮腫

糖尿病黄斑浮腫(とうにょうびょうおうはんふしゅ)は、糖尿病の合併症のひとつとして知られる病気です。

視界の中心部分にゆがみを生じたり、視力低下を起こしたりするほか、糖尿病の状態に関わらずこの病気のみ単独で起きるケースもみられます。

網膜静脈閉塞症

ものを見たときに、対象を映像化する網膜部分の静脈がつまりを起こして閉塞し、網膜自体にむくみや出血をきたす病気です。

高血圧、高コレステロール血症などが原因で発症しやすく、糖尿病黄斑浮腫と同様に生活習慣病の合併症として知られています。 加齢が原因でも起こりやすいため、40代以降の方は定期的な検診や診察が欠かせません。

黄斑浮腫

糖尿病黄斑浮腫とは異なり、黄斑のみに起きる病気です。

高血圧のほか、腎臓の疾患強力な光線の影響によって引き起こされる場合があります。

黄斑浮腫の発症は糖尿病網膜症や白内障の手術など、既往症の有無が関わることもあります。

原疾患の特定やそれぞれの疾患にあわせた治療が必要です。

中心性梁液性脈絡網膜症

中心性梁液性脈絡網膜症は黄斑部分が網膜剥離を起こす病気で、働きざかりの年代の男性に多く片目に症状が出やすいという特徴があります。
網膜の外側にある膜の機能低下により血液の成分が漏れ出して発症し、主にストレスが原因と考えられています。

対処法・治療法

ものの見え方に左右差が出たときは、可能なかぎり早期に専門医で診察を受けましょう。

ここからは、対処法・治療法を紹介します。

対処法・治療法​

専門医による診察・検査

ものの見え方に左右差が出た場合、左右の目が以前から正常に見えていたかどうか、また既往症の有無をチェックしなければなりません。

同じ黄斑部分の病気でも、黄斑浮腫中心性梁液性脈絡網膜症など複数の病気が考えられるため、検査によって正しく見極める必要があります。

内服治療

強いストレスが原因の方には漢方薬を、糖尿病など既往症が原因となっている場合はそれぞれの疾患にあわせて治療薬を処方します。

たとえば黄斑浮腫が腎臓の病気からもたらされている場合は、眼科と腎臓科(腎臓内科)が連携し、治療を継続していくことが重要です。

点眼治療

手術後に目を保護するための点眼薬、また目の腫れに対する治療としてステロイドを配合した点眼薬を処方することがあります。

眼圧が上昇するのを抑えるための点眼薬も、症状に応じて処方されています。

レーザー治療

糖尿病黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症など進行性の病気については、出血箇所の閉塞や浮腫の消失を早めるためにレーザー光凝固術が行われます。
ただし、レーザー治療が適さない箇所については手術が適用となります。医師と話し合いを重ねたうえでの治療の選択が大切です。

目の左右差が出たときは専門医に相談を

目の左右差が出たときは専門医に相談を​

今回は、目の左右でものの見え方が異なるケースについて紹介しました。
症状がある場合は眼科専門医の診察を受け、症状にあわせて治療を進めましょう
きたあやせよつば眼科では、目の左右差について相談が可能です。
LINEオンライン診療も行っていますので、ぜひ一度ご相談ください。