急に目が見えなくなって困っていませんか。視界の一部がぼやける、視界のすべてが黒くなるなどの症状が現れて驚いている方が多いでしょう。急に目が見えなくなったときは、さまざまな原因が考えられます。すぐに回復するケースもあれば障害が残るケースもあるため、原因に合わせて適切に対処することが重要です。
この記事では、現れやすい症状を解説するとともに急に目が見えなくなったときに考えられる原因と原因別の治療法を紹介しています。これらの情報を参考にすれば、現在の状況がなぜ引き起こされているか、どのように対処すれば良いかなどがわかるはずです。困った状況に対処するため確認しておきましょう。
目が急に見えなくなる際の症状
「急に目が見えなくなる」が意味する症状は、人によって異なります。症状により考えられる原因は異なるため、具体的にどのように見えないか見極めることが重要です。
代表的な症状といえるのが、視界がぼやけて見えなくなることです。ものがはっきりと見えない状態と言い換えられます。ぼやける範囲は、ケースによりさまざまです。具体的には、全体的にぼやけるケース、部分的にぼやけるケースがあります。油断はできませんが、いずれにせよ緊急度はそれほど高くないことが多いでしょう。
光で眼が見えなくなることもあります。症状は瞬間的に光る場合と持続的に光る場合にわかれます。中高年以降で瞬間的に光る場合は老化現象のひとつと考えられますが、大きな病気につながることもあるため注意が必要です。持続的に光る症状が短期間に何度も繰り返す場合は、脳の病気に注意が必要かもしれません。
反対に、視界が黒くなることもあります。この場合も症状の現れ方はさまざまです。具体的には、一時的に視界全体が黒くなること、視界の一部が継続的に黒くなることなどがあります。
原因と疑われる病気
目が急に見えなくなったときは、次の病気などが疑われます。
急性緑内障発作
房水の排水口にあたる隅角が閉鎖した状態です。産出された房水を排水できないため眼圧が急上昇してしまいます。これにより、激しい頭の痛みや目の痛み、視力の低下、視界の一部がぼやける、吐き気がするなどの症状が現れます。放っておくと視力が戻らなくなることや失明してしまうことがあるため、できるだけ早期に対処しなければなりません。
後部硝子体剥離
「ピカッ」と光が見える場合は、後部硝子体剥離が疑われます。後部硝子体剥離は、
加齢の影響で変質した硝子体が網膜から剥がれている状態です。網膜に刺激が加わることで、視界の端にフラッシュのような光が見えると考えられています。他に異常がなければ基本的に心配ありませんが、網膜裂孔や網膜剥離を引き起こすことがあるため注意は必要です。
網膜剥離
何かしらの原因で、
フィルムの役割を果たしている網膜が網膜色素上皮細胞から剥がれてしまう病気です。網膜が剥がれると栄養を供給できなくなるため、視野の一部が黒く欠ける、視力が低下するなどの症状が現れます。網膜剥離の原因のひとつが、後部硝子体剥離により網膜裂孔(網膜に亀裂や孔ができること)が引き起こされることです。網膜裂孔が生じると、視界に虫が飛んでいる、視界に光が走るなどの症状が現れやすくなります。
一過性黒内障など
片目の視野の全体または一部が急に見えなくなった場合は、一過性黒内障などが疑われます。一過性黒内障は、
網膜に栄養を届けている動脈が詰まって目が見えなくなった状態です。数分から数十分程度で血栓が溶けて回復します。血栓が溶けず機能に障害が残るケースを網膜中心動脈閉塞症、溶けて流れた血栓がその先で詰まり新たな障害を引き起こすケースを網膜動脈分枝閉塞症といいます。網膜動脈分枝閉塞症では、栄養を届けられなくなった部分の視野が欠けます。
対処法・治療法
急に目が見えなくなったときに疑われる病気の対処法・治療法は次の通りです。
急性緑内障発作
レーザーを使って虹彩周辺に孔をあけ房水の流れをよくする手術や虹彩を切開して房水の流れをよくする手術などを行います。角膜の障害が強い場合は後者を選択します。白内障の手術を行うことも少なくありません。水晶体を眼内レンズに置き換えることで厚みを抑えられるからです。ただし、眼内レンズに置き換えると、術後にメガネなどを必要とすることがあります。
後部硝子体剥離
後部硝子体剥離は老化現象のひとつです。したがって、基本的には経過観察となります。網膜剥離などを引き起こすことがあるため、眼科を受診して現在の状況を確認することが重要です。後部硝子体剥離に伴う症状(虫が飛んでいるように見える、光が見える)は、時間の経過とともに治まることがあります。
網膜剥離
網膜剥離は、剥がれた網膜を本来の位置に戻す手術を行います。具体的には、問題を起こしている硝子体を切除してから眼球内に空気を注入し網膜を元の位置に戻し固定する手術などで治療します。手術の内容は、ケースによりさまざまです。基本的には、進行状況に合わせて決定します。網膜裂孔の場合は、裂孔部分をレーザーで凝固する治療などが行われます。
一過性黒内障など
抗凝固剤などを用いた治療が行われます。頸動脈の動脈硬化が進行している場合は、動脈内に網目状の筒を留置して血液の流れをよくするステント治療などを行うこともあります。視力が回復したとしても、脳梗塞のリスクが高い状態です。医療機関を受診して必要な検査や治療を受けましょう。
他に考えられる原因
この記事では目が見えない場合の原因や治療方法を紹介しました。
上記以外にも考えられる目が見えなくなる原因について紹介している記事もございますので、あわせてご覧ください。
目が急に見えなくなる原因・症状と治療方法
急に目が見えなくなったときは眼科を受診しましょう
急に目が見えなくなる原因とその治療法を解説しました。症状が現れている方は、何かしらのトラブルが発生していると考えられます。特別な治療を必要としないケースもありますが、
放置していると失明などにつながることも考えられます。症状を自覚している方は、眼科で相談しましょう。
足立区にある 北あやせよつば眼科では、患者様一人ひとりに寄り添った治療を実施しています。ぜひ目の痛みについてご相談ください。