白内障になると見え方はどう変わる?注意すべき自覚症状と治療方法とは
お役立ちコラム
かすみやゆがみなど、視界に影響を与える代表的な目の病気に、白内障があります。
高齢者によく見られる病気ですが、若い方のなかにも発症している方は少なからず存在します。
自覚症状があまりない内に進行してしまう可能性があるため、注意が必要な病気です。
この記事では白内障の原因や症状、予防方法、症状が進行したときの対応方法を解説しています。
目に違和感を感じていてよくある白内障の症状を知りたい方、予防方法が知りたい方はぜひ参考にしてください。
目次
白内障とは、目の中の水晶体が白色やクリーム色に濁る病気です。
水晶体は、外部からの光を集めて網膜に届ける役割を持った器官です。
厚みを調整してピントを合わせる役割も持っていて、カメラの凸レンズに似ています。
正常な水晶体は無色透明ですが、透明度を支えるタンパク質のバランスが崩れて変質すると、白色やクリーム色に濁ってしまいます。
水晶体の濁り方には個人差があり、原因は加齢や外傷などさまざまです。
水晶体が濁ると外部からの光が網膜に届かなかったり、光が乱反射してピントが合わなかったりして見え方に支障が出ます。
症状として目がかすむ、暗くなると見えにくい、ものが二重・三重に見えるなどが挙げられます。
白内障の原因は、加齢や喫煙・アルコール、糖尿病・アトピー性皮膚炎との合併症などがあります。
個人差はありますが、年齢が高い方のほうが発症率が高くなる傾向です。
ここでは代表的な3つの原因を解説します。
白内障の原因は、加齢によって引き起こされる傾向にあります。
加齢による白内障は加齢性(老人性)白内障と呼ばれ、老化現象の1つです。
水晶体内のタンパク質は、年齢とともに紫外線や外部の刺激から受けたダメージを蓄積し、減少もしくは変質していきます。
タンパク質の変質や、タンパク質の減少で失われた弾力性が原因となり、水晶体が年齢とともに濁ってしまうほどです。
白内障を発症する年齢には個人差があり、早いと40歳で引き起こされます。
年齢とともに発症する確率は高くなり、80歳ではほとんどの方に白内障の初期症状が見られます。
糖尿病患者には、若いうちから白内障を発症している方が多い傾向があります。
糖尿病患者はインスリンの作用低下や分泌不足により水晶体に糖が蓄積しやすく、浸透圧が変化して白内障になりやすいです。
徐々に進行する加齢性白内障と比べて、糖尿病による白内障は、発症すると進行スピードが速い特徴があります。
進行すると失明の危険性があるため、糖尿病患者は定期的に健診を受け、白内障の早期発見をしてもらう必要があります。
紫外線は、白内障の原因の1つです。
水晶体に老化の原因ともいわれる活性酸素を発生させます。
活性酸素は水晶体内のタンパク質を酸化し、変質させて、白内障を引き起こす危険性があります。
紫外線があるのは、晴れの日だけではありません。
曇りの日や雨の日も紫外線は存在し、気づかない内に水晶体が紫外線を浴びています。
UV加工のあるサングラスやコンタクトレンズ、日傘や帽子を使用して、紫外線から目を守りましょう。
白内障を患うと以下のような症状があらわれます。
症状は水晶体の濁り方などによって個人差があります。
白内障ではないかと心配な方は、ぜひ以下を参考にしてみてください。
白内障が進行すると、水晶体の濁りが外側から中心部分に到達し、網膜に十分な光が届かなくなって視力が低下します。
光の屈折状態が変わり、遠視が強くなったり近視が強くなったり、人によって視力の変化は異なります。
通常視力は急激に変化しません。
突然字が読みにくくなったり視界が狭くなったり、急激な視力の低下を感じた場合は白内障の可能性が高いです。
メガネやコンタクトレンズの度数が急に合わなくなった場合、視力の低下を疑った方がよいでしょう。
白内障では水晶体が濁って外部からの光が乱射し、ピントが合わなくなると視界がかすみます。
白内障による視界のかすみは、メガネやコンタクトレンズでは矯正できません。
メガネやコンタクトレンズをしていても、明暗差がわかりにくかったり視界がぼやけたりする場合は注意が必要です。
また、視界のかすみは白内障だけでなく、ドライアイや加齢が原因の場合もあります。
違いがわかりにくく、気づかない内に白内障が進行してしまう可能性があるからです。
ものが二重・三重に見える、または視界がゆがむ症状を複視と呼び、白内障の症状の1つとして挙げられます。
白内障で多く見られる複視は、片方の目のみに視界のゆがみが生じる単眼性複視です。
視界のゆがみは水晶体の濁り方によるため、白内障を患った方全員に見られる症状ではありません。
1本の車線が2本や3本に見えたり、標識がわからなかったりと、自動車の運転にも支障が出る危険性があります。
視界のゆがみは、乱視用のメガネやコンタクトレンズを使用すれば、ある程度の軽減が可能です。
白内障が進行すると、屋内から屋外に出て日光を浴びたときや夜間に対向車のライトを見たとき、まぶしく感じる場合があります。
まぶしく感じる症状が起こるのは、水晶体が濁って外部からの光を1つに集められず、光が散乱して網膜などさまざまな器官を刺激するためです。
ドライアイや花粉で目が傷ついたときにも、同様の症状が起こる可能性があります。
逆光に弱くなるだけでなく、まぶしさで痛みを感じたり、涙が出たりする場合もあるでしょう。
白内障は視界のかすみやゆがみを起こし、目に負担がかかります。
目の負担は疲れやすさにつながり、頭痛や肩こりなど目以外の不調を引き起こしかねません。
また、白内障が進行すると水晶体が厚くなり、目の中を循環している房水の流れを悪くして眼圧を上昇させるおそれがあります。
眼圧の上昇は視神経を圧迫し、吐き気や頭痛を引き起こします。
さらに悪化すると視野が狭くなり、最悪の場合、失明する危険性があるため注意が必要です。
白内障を予防には以下のような方法があります。
普段の生活で活用しやすい予防方法を解説します。
白内障を患っている方は進行させないため、患っていない方は発症させないためにぜひ参考にしてください。
白内障の原因の1つとなる紫外線は、誰もが日常的に浴びてしまうものです。
目は皮膚に日焼け止めを塗るような対策ができませんが、アイテムを身に付ければ対策できます。
サングラスやコンタクトレンズ、日傘や帽子を使用して目を覆えば、紫外線の浴びる量を軽減できるでしょう。
サングラスを選ぶときは、色の濃さではなく、UV加工があるかないかに注意して選ぶことが重要です。
色が薄いサングラスのほうが、視野が広くて目が疲れにくく、車の運転にも利用できます。
紫外線があるのは、晴れの日や日中だけではありません。
特に朝晩はメガネやサングラスのサイドから紫外線が反射して、目に入ってしまうおそれがあります。
つばの広い帽子や、UV加工があるコンタクトレンズをつけるのがおすすめです。
水晶体内のタンパク質が酸化し、変質してしまうことを防ぐ方法に、抗酸化作用が高い食物の摂取があります。
抗酸化作用が高いおもな栄養素は、ビタミンCとビタミンE、ルテインです。
ビタミンCが多く含まれた食物はいちごやブロッコリー、ビタミンEの含まれた食物はアーモンドやうなぎなどです。
ルテインはほうれん草やかぼちゃなど、緑黄色野菜に多く含まれています。
これらの食物を積極的に食事に摂り入れ、体の抗酸化力を高めましょう。
食事での十分な摂取が難しい方は、サプリメントの利用がおすすめです。
ビタミンCやビタミンE、ルテインのサプリメントは市販でも販売されていて、簡単に手に入ります。
白内障を引き起こす血液中の糖やAGEs(終末糖化産物)の蓄積は、バランスがとれた食生活で予防できます。
AGEsとは、血液中の糖がタンパク質と結合し、変質してできる物質です。
AGEsは全身の老化を促進する物質として知られていて、蓄積すると糖尿病や高血圧になるリスクが高まります。
揚げ物やスナック類、炭酸飲料などの食品には、AGEsが多く含まれています。
できるだけ糖質やAGEsを多く含む食品は避け、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。
1日3食のバランスの取れた食事を取ることで、白内障だけでなく糖尿病や高血圧など、さまざまな病気を予防できます。
適度な運動は血糖値を下げ、血行を促進して血液循環を整える効果があり、水晶体内の糖や活性酸素の蓄積を防ぎます。
白内障だけでなく高血圧や肥満、糖尿病などの予防につながり、若い内から積極的に運動することが重要です。
長距離マラソンや本格的なジムトレーニングなど、無理して身体が壊れてしまうほどの運動をおこなう必要はありません。
筋肉量を増やす無酸素運動よりも、糖質・脂質・酸素をエネルギー源とする有酸素運動がおすすめです。
ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で日常的に運動する習慣をつけましょう。
時間がない方は、通勤や買い物で自転車を利用したり歩いたりと、簡単な運動からでも問題ありません。
タバコには体に有害なタールやニコチンの成分が含まれており、喫煙で血液の流れが悪くなったり、ビタミンが失われたりする危険性があります。
目への悪影響も例外ではなく、タバコの影響で十分な栄養や酸素が届かないリスクが高いです。
禁煙は白内障だけでなく、緑内障や加齢黄斑変性、ブドウ膜炎も予防できます。
悪影響を頭ではわかっていても、喫煙者が急に禁煙するのは困難でしょう。
理想は禁煙ですが、1本など少しずつからでも減煙すると白内障のリスクを抑えられます。
また、喫煙していなくても受動喫煙でタバコの影響を受けてしまう危険性があるため、注意してください。
白内障の発症や進行を予防する方法として、点眼薬の使用が挙げられます。
白内障の進行抑制に使用される点眼薬のおもな成分は、ピレノキシンとグルタチオンです。
ピレノキシンはキノイド物質とタンパク質の結合を阻害し、水晶体の濁りを予防する効果があります。
一方、グルタチオンはタンパク質の酸化を予防し、水晶体の透明度を維持する効果があります。
ただし、どちらの点眼薬も白内障を治す効果はなく、進行抑制効果も100%ではありません。
白内障の進行状態や年齢などによっては、高い効果が得られない場合もあります。
勝手な自己判断はせず、医師の判断に従って使用しましょう。
現時点、白内障を治す治療方法は手術だけです。
点眼は進行を抑制する治療であり、根本的な白内障の治療ではありません。
白内障は放っておくと進行してしまい、症状が悪化する可能性が高いです。
生活に影響が出る前に、気になる症状がある方は眼科の受診を検討しましょう。
白内障の症状は、水晶体の濁り方などによって個人差があります。
自覚症状が出たときには、すでに進行してしまっている可能性があります。
急激な視力の低下や視界のかすみなど、目に違和感を感じたときは眼科を受診しましょう。
特に糖尿病を患っている方は進行が進みやすく、放置は禁物です。
眼科では、進行具合の確認と、症状や生活への支障に合わせた治療方法を相談できます。
早期の段階では進行抑制の点眼治療、すでに進行してしまっている場合は手術が一般的です。
点眼治療は進行を抑制する治療であり、白内障の症状を改善する特効薬ではありません。
すでに白内障が進行してしまっている場合、手術が必要です。
一般的に白内障の手術では、白色やクリーム色に濁ってしまった水晶体を取り除き、人工の眼内レンズを埋め込みます。
手術には、超音波水晶体乳化吸引術と水晶体嚢内摘出術の2種類があります。
超音波で水晶体を砕いて吸引する、負担が少なくスタンダードな手術が、超音波水晶体乳化吸引術です。
水晶体嚢内摘出術は、進行して水晶体が硬くなっている場合など、超音波水晶体乳化吸引術が難しい白内障におこなわれます。
白内障の原因は、加齢や紫外線などさまざまで、誰もが発症する可能性があります。
食生活を改善したり適度な運動をしたりして発症や進行を予防する方法もありますが、治療となると手術が必要です。
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白内障の他にもドライアイや緑内障、老眼などの検査・治療が可能なため、目に違和感を感じたら一度相談してみましょう。
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