「蛍光灯の灯りがまぶしくて辛い」「外に出るとまぶしくて目を開けていられない」などに悩まされていませんか。いつもとは異なる見え方に、不安に感じている方もいるでしょう。目がまぶしいときは、背後に重大な病気が潜むこともあります。大きなトラブルに発展することもあるため、我慢せず早めに眼科を受診することが重要です。
この記事では、目の異常で現れやすい症状とまぶしいときに考えられる原因を解説しています。また、原因別に対処法や治療法も紹介しています。これらの情報を参考にすれば、まぶしさの原因を把握して適切に対処できるようになるはずです。辛い症状にお悩みの方は、確認しておきましょう。
目がまぶしい際の症状
目にトラブルを生じると、強い光を浴びていないのにまぶしいと感じることがあります。このような状態を
羞明といいます。具体的には、蛍光灯の光がまぶしくて目を開けていられない、いつもと同じ環境なのにとてもまぶしく感じる、野外に出るとまぶしすぎてものが見えにくい、光を発するものの周りに輪が見えるなどが該当します。以上の症状を引き起こす原因はさまざまです。サングラスをかけてしのぐ方もいますが、根本的な解決にはならないためおすすめできません。原因によっては状況が悪化することも考えられます。目がまぶしいときは、どのような原因が考えられるのでしょうか。
原因と疑われる病気
目がまぶしいときは、角膜から入った光が網膜に到達するまでの間に何かしらのトラブルが発生していると考えられます。疑われる病気は次の通りです。
白内障
白内障は、
加齢の影響などでレンズの役割を果たしている水晶体が濁る病気です。濁りが生じると、水晶体に届いた光が乱反射するためまぶしく見えます。例えば、対向車線を走る自動車のヘッドライトがまぶしくて運転に支障が生じる、野外に出ると太陽の光がこれまでよりもまぶしく感じられるなどが考えられます。このほかでは、ものがかすんで見える、ものがぼやけて見えるなどの症状が現れることもあります。ちなみに、加齢による白内障は老化現象のひとつです。進行速度に個人差はありますが、誰にでも起こりえます。
ドライアイ
ドライアイは、
目に涙がいきわたらなくなることで不快な症状が現れる病気です。目のゴロゴロ感や目の乾燥のほか、光をまぶしく感じるなどの症状が現れます。まぶしく感じる理由は、目に涙がいきわたらなくなることで目の表面が凸凹になるからです。これにより、光が正常に通過しなくなるためまぶしさを感じるようになります。ドライアイの主な原因は、加齢やライフスタイルなどの影響です。また、シェーグレン症候群などの病気で引き起こされることもあります。
角膜炎
角膜炎は、
角膜に炎症が起きた状態です。角膜は、目の外側で黒目を覆っている膜を指します。炎症により角膜の機能に問題が生じるためまぶしさを感じるようになります。ほかでは、目の痛みやゴロゴロ感、涙目、目のかすみなどの症状も現れます。角膜炎の主な原因は、細菌やウイルスの感染、コンタクトレンズの装用に伴う傷などさまざまです。放置すると、視力に悪影響を及ぼすことがあります。
ぶどう膜炎
ぶどう膜と呼ばれる組織に炎症が起きた状態です。ぶどう膜は、網膜と強膜に挟まれて眼球を構成する膜を指します。炎症が起きると、まぶしい、かすんで見える、視力が低下する、目が痛いなどさまざまな症状が現れます。まぶしいなどと感じる理由は、炎症で集まった血液や細胞などにより眼球内が濁るからです。ぶどう膜炎は、ウイルス・細菌などの感染により引き起こされる感染性ぶどう膜炎とサルコイドーシスなど他の病気で引き起こされる非感染性ぶどう膜炎にわかれます。重症のものは、失明する恐れがあるため注意したい病気のひとつといえるでしょう。
対処法・治療法
まぶしいときに自分でできる対処法として、サングラスを使用する、目の乾燥を防ぐ、照明を変更するなどがあげられます。ただし、病気が背後に潜む場合は、効果を実感できない恐れがあります。また、悪化する恐れがあるため、自分で対処し続けることはおすすめできません。必要に応じて、眼科を受診しましょう。眼科では、まぶしさを引き起こす病気に対して次の治療などを受けられます。
白内障
症状が軽い場合は、目薬を使用して進行を遅くできる可能性があります。ただし、目薬で白内障を治すことや進行を完全に停止することはできません。根本から治したい場合は、加齢の影響などで混濁した水晶体を人工の眼内レンズに置き換える手術を行います。これにより、まぶしさや視力の低下などは改善します。
ドライアイ
涙の質・量を調べる検査を実施して、症状に合わせた治療を行います。具体的には、上手く働いていない涙の層にアプローチする目薬を用いるケースが多いでしょう。目薬で期待した効果を得られない場合は、プラグを差し込んで涙の排水口(涙点)を塞ぐ治療を行います。
角膜炎
原因により治療法は異なりますが、基本的には目薬や軟膏を用いて治療します。例えば、細菌性の場合は抗菌目薬、真菌性の場合は抗真菌目薬を主に用います。ケースによっては、内服薬や点滴を用いることもあります。治療期間も、原因などでさまざまです。真菌性角膜炎、アメーバ角膜炎は、1~6カ月程度かかることもあります。医師の指示に従い、根気よく治療を継続することが重要です。
ぶどう膜炎
ぶどう膜炎の治療も原因により異なります。細菌やウイルスなどが引き起こしている場合は、抗菌薬や抗ウイルス薬などを用いるケースが多いでしょう。非感染性の場合は、ステロイドを用いた炎症を抑える治療、免疫抑制剤を用いた免疫を抑える治療などが行われます。また、サイトカイン(炎症を引き起こす物質)を抑制する生物学的製剤を用いるケースも増えています。
存在しない光を感じる場合
この記事ではいつもよりもまぶしく感じる場合について解説してきましたが、実際には存在しないはずの光を感じてしまうという方もいるのではないでしょうか。
存在しない光を感知してしまう場合について解説している記事もございますので、あわせてご覧ください。
目に光を感じる症状を引き起こす原因・症状と治療方法
目がまぶしくて辛いときは眼科で相談
目がまぶしい原因と対処法を解説しました。紹介した以外にもさまざまな原因が考えられます。目がまぶしくて辛い方は、
我慢せずに眼科を受診しましょう。原因を調べたうえで、適切な治療を受けられます。
足立区にある 北あやせよつば眼科では、患者様一人ひとりに寄り添った治療を実施しています。ぜひ目の痛みについてご相談ください。